ベストアルバム『O₂ 〜太陽盤〜』『O₂ 〜月盤〜』リリースに向けて、今作に込めた想いやエピソードを、メンバーにロングインタビュー。

オフィシャルインタビュー【前編】【後編】【番外編】として順次公開いたします。

 

本日は【番外編】を公開!どうぞご覧ください。

 

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◆タイトル

夕焼けを見ていると不思議な気持ちになる

 

バンド結成15周年を迎えたGOOD ON THE REELが、初のベストアルバム『O₂ 〜太陽盤〜』 『O₂ 〜月盤〜』を同時リリースした。

5人揃ってのインタビュー番外編は、タイトルにちなんだ質問を用意。メンバーそれぞれの「好きな太陽」と「好きな月」について訊いてみた。

 

昼でも月は在る。夜でも太陽は在る。

そんな、当たり前のことを当たり前のこととして、でもちょっとだけロマンチックに、ドラマチックに鳴らすGOOD ON THE REELというサウンド。

太陽と月、その光が照らし映し出すのは、1人1人の日常の中にある感情という名の起伏だ。

 

柔らかい口調で、ちょいちょいメンバーの言葉につっこんだりする “メンバー同士の間合い”も存分にご賞味あれ。この間合いこそ、GOOD ON THE REELの魅力の源ですから。

 

 

――宇佐美さんは「SUNRISE」のミュージックビデオを手掛けたそうですが、ポジション的にはどういう?

宇佐美友啓(Ba/以下、宇佐美) 一応、MVでは監督と呼ばれてます。

 

――アイデアはどこから?

 

宇佐美 ドラマのオープニングで「SUNRISE」に合わせ、出演者の方々が踊ってくれるって聞いていたので、せっかくだからその踊りをMVにも取り入れたいと思ったんですね。それで、ドラマのファンの人たちも、MVを見てもらえたらいいなと。その時点で、クールな演奏とクールなダンスを合わせよう、と。撮影のカメラマンは、GOOD ON THE REELのMVやアーティスト写真を撮ってくれているyansu KIM(ヤンス・キム)くんにお願いしたんですけど、彼は、料理の写真とかも撮影していて、しずる感を出すのが得意なんですね。ドラマはうどんチェーン店が舞台だし、じゃあ、yansu KIM(ヤンス・キム)くんの得意技も取り入れようと思ったんです。だからうどんを作る工程と、曲の進行をリンクさせるようにして。演奏シーンの中に、ちょいちょいうどんを作っている手元を入れていこうと思ったんですよね。

 

――「SUNRISE」のミュージックビデオ自体、うどんのショットから始まってますもんね。

 

千野隆尋(Vo/以下、千野)ふははは(笑)。

 

宇佐美 そうなんです(笑)。浮かんだイメージのままMVにしました。

 

――演奏シーンの強いライティングとか、すごく印象的でした。

 

宇佐美 そこらへんは、シュールさというか……不思議な感じになってくれればいいな、と。メンバーがいて、外側にうどん職人風のダンサーの人たちがいて、うどんのしずる感があって、その全部が収まっているのが、面白いし、不思議さも出るかな思ったんです。「SUNRISE」のMV撮影にあたって、初めて絵コンテも書いたんですよね。そこまでバチバチに決め込んではいなかったけど、結構、細かいところまで書きましたね。

 

――宇佐美監督として、最も気に入ってるところは?

 

宇佐美 2サビの派手な照明ですね。照明のスタッフの方とも事前にzoomで打ち合わせしたんですけど、その中で、ムービングとかもありだねって提案してくれて。当日行ったら、実際、強烈な照明だったので。すごいな、カッコいいなと思いましたね。あとは、やっぱりうどんかな(笑)。

 

伊丸岡亮太(Gt/以下、伊丸岡) MV観てると、うどん食べたくなるもんね(笑)。

 

 

――わかりました。ではちょっと質問のアプローチを変えまして。 『O₂ 〜太陽盤〜』 『O₂ 〜月盤〜』というタイトルにちなんだ質問です。みなさんは、どんな太陽、どんな月が好き?

 

高橋誠(Dr/以下、高橋) 太陽は朝焼けが好きですね。意外と朝方人間なんで…。10代のとき、よくオールとかして夜明けに河原とかに行ってたんです。

 

――は?か、河原? 

 

高橋 河原でよくオールしてたんですよ。

 

千野 まこっちゃん、10代の頃は、ちょくちょく河原に住んでたからね(一同爆笑)。

 

伊丸岡 子供の頃からキャンプの素質があったということです(笑)。

 

高橋 それで結構、朝焼けを見てた。だから朝日に思い入れがあるんですよね。青春じゃないけど、楽しかったなぁ、帰って寝るかって感じを今でも思い出す。

 

――月は?

 

高橋 月って、たまにめっちゃでかくなるときがあるじゃないですか。あれが好きなんです。見られると結構テンション上がる。

 

千野 スーパームーンみたいなね。

 

高橋 そうそう。あと、色が赤かったりとかね。

 

千野 月は地平に近ければ近いほど、大きくて赤く見えるもんね。そういう時、テンションあがるよね、わかる、わかる。

 

伊丸岡 僕は、太陽は……旅行とか行った時に、旅館とかから見る日の出。特別感があってとても好きですね。その朝日を見るために早起きするんですよ。月については、僕、基本的に夜、よく空を見てるんです。ベランダに出て月と周りの星とかを見るのが結構好きで。夏だとオリオン座をみていて、こっち側に月があったり……。普通に、日常の夜空の中にある月が好きです。

 

千野 オリオン座は……冬だな(笑)。

 

伊丸岡 あっ!そうだね(笑)。冬だ。夏は夏の大三角形だ。

 

千野 ごめん、今、言わずにいわれなかった(一同笑)。

 

伊丸岡 いいよ、全然、ありがとう。だってオリオン座、冬だから(笑)。夏は夏の大三角形。

 

――東京だと夏の大三角形、晴れたら見られるわけでもないじゃない?もっと南に行かないとよく見えない。だから東京ではたまにしか見られない。それを見てるって……相当、夜空見てます?(一同笑)

 

伊丸岡 見てますね。

 

宇佐美 僕は、太陽は夏の早朝。

 

岡﨑広平(Gt/以下、岡﨑) いいよね、わかる。

 

宇佐美 僕らも何度か出演させていただいている「MURO FESTIVAL」の当日とか、僕、出番の時間に関わらず、早起きして最初から行ってたんですね。早くに起きて1人で会場に向かうんですけど、その感じが、旅行に行くような感じで楽しくて。何カ月も前から準備して、その日を楽しみに日々過ごしてきて、ついにその日が来た時に、早く起きて準備万端で今日1日、楽しんでいくぞーみたいな。

 

伊丸岡 わくわくだ。

 

宇佐美 そう。わくわくを爆発させて行くのを、夏の早朝の太陽が、よし、行って来いみたいに、後押ししてくれる。そこが好きなんです。月は日中に見える月が好きですね。

 

千野 あぁ、白い月ね。いいよね、あの月も。

 

宇佐美 確か、小学生の頃だったと思うんですけど、日中、白く浮かんでいるあれが月だって初めて知ったんです。そのときの衝撃が今でも忘れられなくて。こっちに太陽あるのに、なんだろう、月なの? えぇ? みたいな。そのとき、月って、見えてなくても、ずっといるんだなって思ったんですよね。

 

岡﨑 僕は田舎の港町の出身なんですね。その街は、海もあって、ちょっと奥に行けば山もある。海に行ったら太陽を見たい。山に行ったら月を見たい。

 

千野 今の、ことわざみたい(笑)。

 

岡﨑 地元の風景の中に太陽と月があるというか。だから、海に行って太陽を観ると懐かしい感じがして、幸せホルモンがどんどん出ていく感じがするんですね。空に上がった太陽もいいんだけど、海と太陽がセットだとなおさらキュンとくる。月は山の方がいい。地元に鹿野山って山があるんだけど、そこに行くと、夜は本当に暗闇なんですよ。まさに漆黒。地元に帰って、漆黒の中で月を見ていると、東京の空って、明るいし、夜空もグレーがかっているんだなってことを思い出すんですよね。

 

千野 僕は太陽は夕焼けが好きです。夏だったらひぐらしの鳴いている中の夕焼け、冬だったら寒くて白い息が見える中での夕焼け、いろいろありますけど、季節を問わず全部好きです。夕焼けを見ていると、いつも寂しい気持ちになったりするんですけど、そういうところもが好き。

 

――寂しい気持ちになるのが好き…つまり感情が動くから好きってことでしょうか?

 

千野 そうですね。あと、夕焼けって、あの世とこの世の境だとも言われたりするじゃないですか。

 

――はい。逢魔が時と言われる、ゆえんですね。いわゆる黄昏時、暮れ六つと呼ばれる、今でいう18時前後。季節によっては夕焼けと重なる。

 

千野 そうですよね。だから、夕焼けって、日常と別の世界が入り混じっていて、そこから違う世界へ向かっていく……そういう時間でもあると思うんですね。すごく不思議だなあと。その不思議な感じが好きですね。もちろん、うわ、今日の夕焼け、めっちゃ綺麗だなって、写メを撮ったりすることもあるけど、どっちかっていうと、夕焼けに感じる感覚が好きなんです。夕焼けって、めっちゃ綺麗テンション上がるっていう人と、これから闇に向かうし死にたくなる……って感じる人と、両方あると思うんです。夕方って死にたくなる人が1番多くなる時間帯らしくて、そこもまた不思議な感じがして。なんかこう……いろいろ不思議なのが興味深いし、たまらないんですよね。

 

――月は?

 

千野 そうですね……好きな月は、めちゃくちゃ細い三日月。針みたいな三日月。鋭くて、かっこいいなぁって思う(笑)。たぶん、形がはっきりしてるのが好きなのかな、と。満月だと光りすぎて、周りがぼやっと見えたりするから。でもあれだな、普通に丸い月が出てて、薄い雲がかかってるとき、月光冠が見られるときがあるじゃないですか。月の周りを虹色が囲むような。あの月も好きですね。

 

――千野さん、いろいろ好きな月が出てきますね。相当、月みてますね。

 

一同 はははははは(笑)。

 

千野 言われれば、確かに(笑)。好きなんでしょうね、やっぱり。

 

 

取材・文:伊藤亜希